着物を誂えることができるのは、身内に着尺を織る者がいる幸運でしょうか。
3年前、思い描いた着物姿を伝え、織り上がったのは1年前。
展覧会での展示を終え、仕立て上がって、手元に届きました。
恵風(めぐみの風 春風 2月の異名)と名付けられた
この着物を着る季節は、そろそろ終りです。
明日、知人の展覧会に着て行きます。
帯は母の残した古い袋帯。
織り上がったときから、最初はこの帯と決めていました。
遠目に無地、近くでみると細かい縞模様、
黄檗(きはだ)、楊梅(やまもも)、丹殻(たんがら)で染めた絹糸は、
光の加減で微妙に変化して、とても美しいです。
蔦井美枝子作